僕は昔から朗読劇が好きだ。自分でも何本か書いてはいるが、いずれもあまり良い出来ではなかった。朗読は、動かない分頭の中でイメージが広がる楽しさがある。ただ、最近、動く朗読劇があることも知った。「動く」と言っても芝居をするわけではない。複数の登場人物の出入りがある。それだけの動きでも、座ったまま、立ったままの朗読劇とはだいぶ印象が違ってくる。
今回、友人の前田敏郎という俳優が主催している「ポエティック・シンフォニー」というオリジナルの朗読劇がある。視覚にも訴える新しい朗読劇のスタイルで、何よりも作品の中に人の温もりを感じる事が出来る。そんな彼の公演が、来月19日、20日に三鷹、12月4日に神戸で行われる。面白いことに、ここで友情の輪がつながった。三鷹の公演にはJAE(ジャパン・アクション・エンタープライズ)の武智健二君が、神戸公演には女優の小川範子さんが出てくれることになった。二人とも、僕の親しい友人である。二人とも、忙しいスケジュールの合間を縫って、この話を快諾してくれた。こういうことが実現すると、余計なおせっかいも楽しくなるものだ。
朗読劇というものは、派手ではないが、その代わりに心にじわじわとしみこんでくるものがある。その「じわじわ」感が命、なのだろう。自分が出るわけでもないのに、うまく行くだろうか、と祈っている。それは、前田君からこのプロジェクトの話を聞いた時、「僕の出番はないの?」と聞いたからかも知れない。