芝居を観て劇評を書く。私にとっては日常行為である。しかし、無意識の部分で、劇評を「一つの物語」と考えている節があるようだ。「起承転結」を意識し、その舞台から何を感じ、何を訴えたいかを簡潔にまとめる。それが、「劇評」として洒落た文章になればしめたものだが、勉強不足でそうは行かない。
新聞の劇評は主な出演者、粗筋の説明などに多くの部分を割いているので、なかなか批評の部分にまでは言及ができないようだ。私の場合は自分のHPなので字数の制約はないが、読んでいて嫌になるほど長いものを書いても仕方がない。
昔は劇評をめぐるエピソードもずいぶんあったようだ。歌舞伎の舞台を厳しく批評したところ、「先生、ご自分でやってみてください」という巻紙の手紙が来た、という話もある。劇評が今に比べて権威のあった時代の話である。
劇評と感想文は似て非なるものである。個人的な感想ではなく、公平性と公共性を持った批評でなくてはならない。そのためには、何よりも日々の勉強が大切になる。知識だけではなく、感性の練磨、これが難しい。近道はなく、日夜コツコツと研鑚を積み重ねる他はない。
皆さんも、どうか長い目で私の駄文をご覧いただきたく、お願い申し上げる次第。