人気の若い俳優たちが、自分の息子、と言ってもおかしくない世代であることに驚くと同時に、いまどきこんなに真面目な若者もいるのか、とも思った。「仮面ライダークウガ」でブレイクした浦井健治君、今年で24歳だという。
今月21日から銀座・博品館劇場で上演されるリーディング・ドラマ「イブラヒムおじさんとコーランの花たち」の稽古中である。三田和代、榎木孝明、松村雄基という錚々たる先輩たちがそれぞれにこの一人芝居を演じる中、20代でこの芝居に挑戦する。
小説、映画でも人気を呼んだこの作品、ユダヤ人少年モモとトルコ商人イブラヒムとの出会いからを回想していくリーディング・ドラマだ。一人の少年が「愛情」というものを知り、育んだ過程を振り返る。今の荒んだ世の中だからこそ必要な、ハートフルな作品だ。
「僕がこのお話をお受けしていいのかな、と思いましたけれど、作品に触れたらとても好きになって、やらせていただいています」と浦井君は語る。正直、これからまだまだ勉強の俳優だが、今までに与えられたチャンスに応えてきた結果の挑戦だ。
優しい青年だ。今までに演じた役もそういうものが多い。しかし、その一方で「何にでも挑戦しよう」という秘めたる炎が静かに燃えているような印象を与える。一番大事にしたいものは?と聴いたら、即座に「ハートです」という答えが返ってきた。それが芝居には一番大切なものなのだよ、と言ったら、彼の顔が輝いた。
「若い人にもっと劇場に足を運んでもらいたいですね。そういう環境になるようなことができれば、と思います。大きすぎる夢?ですか」。嬉しいことを言ってくれる。芝居を愛するものの心は時代には関係がないのだ、と一人の若者に教わった。